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札幌市発展の基盤となった札幌本府建設の原動力となった開拓使、その開拓使本庁舎と隣接して道庁旧本庁舎として赤れんが庁舎が建設され現在は復元されて歴史の名残りを留めています。道庁赤れんが庁舎は、開拓使時代・三県一局時代・北海道庁時代を通じて道都札幌の象徴でもあります。 |
現在の札幌は、開拓使による札幌本府の建設が原点ですが、中でも道都としての札幌にとって現在の北海道庁の存在は、大変大きな役割を担っています。 1869年(明治2年)、[蝦夷地]は[北海道]とあらためられ、北方開拓のため[開拓使]が設置されました。この開拓使制度は1882年(明治15年)まで続けられ、その後は[札幌][函館][根室]の三県が設置されましたが、1886年(明治19年)にはこの三県制度も廃止され新たに[北海道庁]が設置される事となりました。 開拓使の設置![]() ![]() 北方開拓のため[開拓使]が設置されたのは明治2年(1869年)ですが、この年に[蝦夷地]から[北海道]に改称され、札幌での本府建設が始まりました。東京には[開拓使東京出張所(左図)]が、芝の増上寺に設けられました。ここには[札幌農学校]の前身である[開拓使仮学校(右図)]も併設されていました。開拓使が置かれる前の北海道は[箱館府]が行政を執り行っていました。所蔵 北大付属図書館 歴代の長官![]() 開拓使の初代長官は、[鍋島直正]が就任しましたが、就任後1ヶ月余で実務に取りかかる前に辞任しています。高齢病弱のため、現地に赴くことが出来ないことが辞任の理由でした。 所蔵 北大付属図書館 ![]() [鍋島直正]の後を継いで2代目の長官に就任したのは[東久世通禧]です。東久世長官は明治2年9月に北海道に移りました。その際部下の判官も多く同行しましたが、その内の一人[島義勇]が[札幌本府]の建設と、札幌市街の設計に取りかかりましたが、長官と対立して罷免され1年で建設は中断しました。替わって赴いた[岩村通俊判官]によって建設が再開され、明治4年(1871年)5月、開拓使庁が札幌に移りました。東久世長官時代に、[函館][根室][宗谷]に出張所、石狩は[銭函]に仮役所が設けられ、北海道全域の開発が本格的に進められる体制が作られました。 所蔵 北大付属図書館 ![]() [黒田清隆]は、3代目の長官です。2代目の東久世長官が明治4年(1871年)10月に辞任しましたが、その後を継いだのが黒田長官です。黒田清隆が長官になつたのは明治7年(1874年)ですが、それまでは次官のまま東京にあって開拓使の長を勤めていました。黒田長官は退任する明治15年(1882年)2月まで北海道開発の為に尽力され、在任中にはアメリカから[ホーレス・ケプロン]等顧問団を招聘してそののアドバイスに基づき、道路、鉄道の開通、屯田兵制度による移住、官営工場の設立など多角的な開発政策を推進しました。所蔵 北大付属図書館 開拓使本庁舎の建設![]() 東久世長官時代に札幌本府の建設が始まり、あわせて札幌の街づくりも進められました。[開拓使本庁舎]の本格的な事業を行う為、明治3年(1870年)4月、現在の北4条東1丁目に[開拓使仮庁舎]が竣工しました。 写真は開拓使仮庁舎です。(原写真所蔵 北大付属図書館) 札幌首府の建設に当たり最大の事業は[開拓使本庁舎]の建設でした。現在の北海道庁を中心として、東西は西4丁目から西8丁目、南北は北1条通から北6条通までの約9万4千坪に及ぶ広大な敷地でした。本庁舎は、現在の道庁赤レンガ庁舎の30間北側に建築されました。この建築の設計に当たったのは外国人ホルトで、1872年(明治5年)7月に着工し翌1873年の7月に上棟式、10月に竣工しました。 ![]() 明治6年7月の上棟式。 (所蔵 北大付属図書館)
![]() ![]() 道庁の赤レンガ庁舎の隣に[史跡]の標石と史跡の由来を記した案内があります。 三県一局時代明治15年(1882年)開拓使が廃止され、北海道は[札幌県][函館県][根室県]の三県時代を迎えました。翌明治16年に は、農商務省北海道事業管理局が出来て北海道全体を管轄することとなつたので、この時代を[三県一局]時代と呼 んでいます。しかしこの制度も明治19年には[北海道庁]が設置されたため、短い期間で終わりました。 北海道庁の創設![]() 明治20年の道庁庁舎の上棟式。 (所蔵 北大付属図書館)
![]() ![]() 炎上中の庁舎 所蔵 札幌市公文書館 庁舎は、明治42年(1909年)札幌の大火により内部が焼失しましたが、赤レンガ壁には損傷がなく、44年には復旧工事が完成しています。左図は、復旧作業の様子で、右図は復旧した道庁庁舎です。復旧した庁舎には八角塔は復元されていません。明治45年当時の写真です。(所蔵 北大付属図書館)
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